昔話をしますが、それこそ10年以上も前、まあ今もゲーム自体は存在していますが「ブラウザ三国志」というのをかなりガチでやってた時代がありましてね。所属軍団は「ゴン太王国」という、まあ刺史01鯖の個人ランク一位で我が「風の如く」の団長「ごんた」が盟主でそこでも鯖１位だったわけですが、ブラウザ三国志も覇道に比べれば廃課金は無双できるものの、数十人で同時攻撃しかければ落とせるくらいのバランスではありました。軍団ネェミングについてのツッコミはとりあえずなしで。そんでウチは普通に覇権争いできる上位３本の指くらいには入る軍団だったわけですが、シーズン３ではまあ見事にクソ負けしたわけです。覇道で３鯖巨大連合にやられたのよりもうはるかにこっぴどく。というのもブラウザ三国志というのは覇道と違って自分の城が陥落すると敵の配下（真戦でいう捕虜みたいなもの）になって、いろいろ制限かかってどうにもこうにもならなくなるというドM仕様だったわけです。で、この時は外交関係でトラブルが生じ、どうにもこうにもならない状態になってあとは全員虐殺されるのを待つのみみたいな局面に。超巨大連合から降伏勧告を受けて盟主ゴン太とその仲間がとった行動は…

仲間をボロボロにしないという条件で、「離反」の道を選びました。要は自害みたいなものです。ブラ三は離反というシステムがあり、これを実行することでいかなる配下状況からも脱出できるかわりにそこまで育成した武将以外の全てがリセットされるという、要は拠点は０になり、城の内装は全てなくなり人口は１になり、名声（マスを１歩進むのに１消費するスタミナみたいなもので時間では回復せず、プレイ日数や砦奪取によって増えていく）も１になるため、はっきり言えば配下から脱出しても手足もがれたカニみたいになっちゃうので事実上そのシーズンはほぼゲームオーバーみたいなものです（１シーズンが４か月と覇道よりも長いのに）。つまりゴン太はここで戦線離脱、地球の端っこに強制遷都されて鯖１位の強力な城が無惨にも初期状態にリセットで死体化です。まあ育成した武将はそのままなのでシーズンが終わればまた復活はできるわけではありますが。まあとにもかくにも自分についてきた仲間の命と引き換えに自分は死を選んだわけですよ。ところが…

軍団員、突撃あるいは自害でほぼ全員死亡しました。誰ひとりとして生をむさぼることなくゲームオーバーで来期の復讐を誓って散っていったのです。まあ数名だけあえて敵の捕虜になってもらう選択をして（離反して育成放棄状態になると再起できないプレイヤー達）、その捕虜軍団は「戦士たちの止まり木」という名前で捕虜状態で育成だけは可能な環境を与えられる…というはずでした。しかし現実は再起や内乱の可能性を恐れた相手軍団に捕虜状態で手足縛られた状態で蹂躙され、ボロボロに。この状況を見て奮起したのが当時鯖でも「最強の完全無課金」と言われていたシンイチロウという男。それこそ一日28時間インしてるとまで言われた貼り着き大王かつ乗ってるメカは旧ザクだが中味はシャアみたいなヤツで、彼がその辺の単独君主とやりとりして世界中の足場を確保し、またその仕打ちに憤怒を隠せなかった友軍も自らの滅亡をいとわず止まり木救出に参戦してきました。救出大作戦の過程で決死隊の役割で突っ込んでいった「尾漢三世」というプレイヤーがいて、辞世の句を残して敵に突っ込み見事救出に成功、この時リアルで夜中の３時くらいで、ゴン太と電話しながら戦局を見守ってて多分人生唯一でしょうね「ゲームでガチ泣きした」のは。しかし現実というのは厳しいモノで、その翌日に止まり木は再び捕虜にされました。まあ最後はシンイチロウの救出大作戦特化軍団「税務署は国家権力だ」によってちゃんと救出されたのですが、このブラウザ三国志シーズン３は史上最悪のクソ負け期だったにもかかわらず、ゲームの分際で一生の思い出に残る感動的な最高のシーズンでした。ちなみにこの時特攻した尾漢三世、その後実は女性であったことが判明、オフ会で出会ったときは驚きでした。あんなに男塾魂あふれるヤツが女だったとは！という感じで。ちなみにこの時に奮起してくれた友軍プレイヤーのお店がオフ会の会場で、救出時に大砲放ってくれたもう一つの友軍の大将も今は外国に住んでますが現在でもリアルにつながりがあります。効率など無視、たかがゲームされどゲームでやるからにはガチ本気でというプレイヤーがひとつの大敗北をきっかけにリアルでも繋がりが生まれ、二次元から三次元の友人に昇華していったのです。この後、ゴン太王国関連のオフ会からリアル結婚に至る仲間も数組誕生しました。

まあハッキリいって昭和の感覚といえばそれまでなんですが、こういう戦乱ストラテジーって「なりきる」のも大きな楽しみのひとつだと思うのですよね。飽食の現代では絶対経験しえないモノを疑似体験できるのは仮想空間だけです。そういう場で実際に命かけるわけじゃあないけど、他から見たらバカなのこいつらって見えるかもですけど、これ実際やってる方は冗談抜きで「超アツい」んですよもうテンションアゲアゲになって脳汁出まくりです。こういうのって、効率とかどうせ一時的にとってもとりかえされるからやるだけアイテムの無駄うんぬんとか、そういう冷めたこと考えてたら絶対に味わえない感覚なわけです。また当然相手にもそういう熱さを求めるプレイヤーはいるわけで、半端な情けをかけられるよりも滅びを望む男塾なヤツもいるわけです。そういうヤツにはヘタに温情をかけず介錯してやるのもこれまたドラマだったりするわけで。

こういう仮想戦国ってそういうNHK大河みたいな感覚を体験できたらそれが一番面白いと筆者は思うんですよね。いかがでしょうか皆さんホントの意味で仮想空間の戦いを楽しめていますか？なかなかそういうシチュエーションってできないものですが、少なくとも実際に死んだりしないゲームで先のことばかり考えて効率重視で、行かねばならぬ時にも膝を抱えていては本当の楽しさには辿りつかないのかもしれませんよ。